6速シーケンシャル

　週に4日、精神科デイケアの送迎運転手の仕事を始める。ミドルルーフのハイエース。新型は６速シーケンシャルATでギア比がクロスして、実に快適。パドルこそないけど、マニュアルモードで走らせると面白い。

　利用者さんを乗せた送迎時は、ATモードでひたすら丁寧に安全運転。送迎運転だけではなく、利用者さんの乗り降りの介助、薬などの持ち帰りの管理もこなすので、結構大変です。

　朝夕の渋滞を避けた裏道を覚えるために、グライダーで使ているLiveTrackが役立ってる。休日に自分のクルマで走って、『復習』したりして。

　精神科のデイケアなので、利用者さんの全員が痴呆症や精神的病ゆえに、完全な管理下に置かれてる。レスリングのスポンサーで有名な会社のロゴが入った制服を着た東南アジアの女性が、施錠を解いて車椅子に乗せた老婆が運ばれてくる
　一緒に抱えてハイエースに乗せる。驚くほど軽い。しっかりシートベルトを締める。続いては4つ股の杖を突いた男性。ヨチヨチ歩きに近い。両手を支えてあがて、ハイエースに乗車。
　この二人は相性が悪いので、離れた席に座らせる。そんな配慮も必要。
　チャイルドロックされ、室内から開かないドアをしっかり閉める。同様な施設を回り、8人掛けのリアシートは満席。デイケア施設に向かって、アクセル、ブレーキペダルが生卵だと思って繊細に踏みながら運転して、精神科デイケア施設に到着。
　オレンジのエプロンを着た介護スタッフに付き添われて、ハイエースから降車。ここでもしっかり施錠された室内に入って、完全な監視下になり、自由はない。
　言葉は悪いけど、「護送車」の運転であります。
　お迎えに2時間。終わって帰宅、ゆっくりとランチして「シエスタ」タイム。3時間以上ある昼休み、しっかり昼寝。
　午後3時半から逆のルートで送っていく。乗車させる時に、持ち物と、薬がある日はしっかりチェックするのが肝腎要。乗車する間、一瞬だけ自由になるけど、再び開かないドアのハイエースに詰め込まれてしまう。
　過去に同じような送迎運転手の経験があるので驚くことはないけど、痴呆が進んでるとはいえ、人間としての尊厳とはなにか？なぞを考えながらハンドルを握って、コップの水がこぼれないくらい滑らかな加減速に徹した運転をしてます。
　全員降ろした帰り道は、マニュアルスポーツモードにして、シーケンシャルギアチェンジを楽しんで走ったりして。